介護日誌④従兄
喪中ハガキが届いた
叔母さんが今年1月に癌で亡くなっていた
母の兄嫁 美智子さん
母妹から通達があったようだが本人は全く覚えていない
一人残った叔父さんは特別養護老人ホームに入った
葬式は仙台に住む次男の俊弘が全て段取りしたらしい
叔父さんの子供は男の子ふたり
長男の吉昭は川崎に移住していた
彼らは私より少し年上で、とっちゃんとよっちゃんと呼び、お盆と正月に一緒に遊んだ数少ない従兄
母の実家は宮城県白石市の田舎町
小学校の真ん前にあり、当時5坪ほどのちいさなお店がくっついていた
アイスにジュース、菓子パンなど好きなだけ取って良いよと言われていつもワクワクしていた記憶がある
裏のお寺を駆け回ったり、たんぼで虫取りをしたり、お年玉を集めたりして一緒に遊んだ
今でも定番のチーズ揚げの作り方を、丁寧に教えてくれたのは美智子さんである
背が高くふくよかな彼女は笑顔がたえず素敵な人で、何しろ料理がとても上手であった
夜になると真っ白なよどんだ空気の中で大人たちは麻雀牌をじゃらじゃらと鳴らしていた
子供は早く寝ろ、と裏腹に店先からこれあれ取ってきてと各ブランドのたばこや酒を運ばさた
朝方まで賑わうの中で、とっちゃんとよっちゃんとまどろみ遊んでいた思い出が蘇る
最後に会ったのは母父が亡くなった時
40年以上も前のこと
母妹に連絡先を聞き電話する
懐かしい声が聞こえてきた
お互い年を取ったね、と
年明けに1周忌があるという
叔父さんは施設からオンラインで参加するので一緒にどうかと提示された
ぜひ参加させてほしいと話はまとまり、すぐにテスト電話した
スマホにはとっちゃんとお嫁さん、小さな子供が映った
音信不通の彼は数年前に結婚していた
親戚が増えたことにうれしい気持ちになった
いとことの再会
こういうことでしか会えなかったのは悔しいがひとまずホットした
何かの時は助け合い相談できる遠い家族との繋がりを感じることができた
しっかり者の妹に電話をかけ